JIHEI NAKASHIMA
長州藩に硝子産業を興した時代の先覚者
「萩ガラス」の歴史は安政6年(1859年)に始まります。
時は幕末、維新とともに明治へ移り変わろうとする激動の時代に、一人の人物がいました。
彼の名は「中嶋治平」。長州藩士にして「科学の目」で未来を見据えていた、知られざる巨人です。
しかしながら彼こそは産業の振興奨励として藩に建白書を提出し、当時の最先端技術であった蒸気機関を駆使して長州藩に硝子産業を興した萩の誇る時代の先覚者だったのです。
その後、萩硝子は天皇家・公家に献上するにまでその質を向上させ、一時隆盛の時代を築きますが、激動の世にまみえわずか数年でついえます。そして彼の死後再建されることなく、ついには幻の萩ガラスとして永く忘れられていました。
「萩ガラス工房」は平成4年(1992年)に萩市笠山に設立、
古文書を紐解き、残された治平遺品や残存している記録から当時の復刻品の製作を開始しました。
地元「笠山」で採掘される石英玄武岩を精製し、彼の遺した想いを最先端の技術と感性で今に再現しています。
現在では1520℃という超高温度域で製作している萩ガラス工房の製品は、国内最高レベルの品質として誇りを持っています。
150年の時を超えた熱き想いを今に継承し、日々新たな挑戦を続けています。